「いざとなれば何とかなる」──そう思っていませんか?
私自身、消防署で救急救命士として働いていると、大規模災害の現場を何度も経験してきました。そのたびに感じるのは、「備えていた家庭と、そうでない家庭の差は、想像以上に大きい」ということです。
能登半島地震、そして相次ぐ大雨・台風被害。日本列島は今、「いつ・どこで」大規模災害が起きてもおかしくない時代に突入しています。そして2026年、国はついに大きな一手を打ちました。それが「防災庁」の設立です。
この記事では、国が目指す防災の姿と、私たち一般家庭が今すぐできる防災対策をわかりやすくお伝えします。消防の現場から見えてきた「本当に必要な備え」をお伝えしますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
なぜ今、防災が注目されているのか?問題の本質
日本は世界有数の災害大国です。地震・津波・台風・豪雨・土砂災害……これほど多くの自然災害リスクを抱える国は世界でも珍しい。にもかかわらず、これまでの日本の防災体制は「縦割り行政」の弊害で、内閣府・国土交通省・消防庁・気象庁など複数の省庁がバラバラに動いていました。
「もし南海トラフ巨大地震が起きたら、指揮系統はどこが握るのか?」
この問いへの答えが曖昧なまま、長年来てしまっていたのが日本の防災の現実です。そこに一石を投じたのが、2026年秋に設立予定の「防災庁」です。
2026年、防災庁が誕生!何が変わる?
① 司令塔が一本化される
これまで災害対応は複数の省庁に分散していましたが、防災庁の設立により「平時から復旧・復興まで」を一貫して担う組織が誕生します。首相を長とし、防災相が配置。各省庁へ勧告する権限も持ちます。消防士の視点から言うと、現場では「誰の指示で動けばいいのか」が混乱することがあります。司令塔が一本化されれば、初動対応のスピードが格段に上がる可能性があります。
② 「事前防災」へのシフト
防災庁のキーワードは「本気の事前防災」です。これまでの日本の防災は「災害が起きてから対応する」後手の姿勢でした。防災庁は「起きる前に徹底的に準備する」という考え方へのシフトを明確に打ち出しています。南海トラフ巨大地震・首都直下地震への重点的な備え、防災DXの推進、地方拠点の整備などが計画されています。
③ 産官学民の連携強化
防災は政府だけでできることではありません。企業・大学・地域コミュニティ・そして私たち一般市民が連携することで初めて機能します。防災庁はこの「産官学民の連携」を強力に推進する方針を示しています。国が本気で防災に取り組み始めた今こそ、私たち一人ひとりが自分事として防災を考えるタイミングです。
なぜ多くの家庭で防災対策が不十分なのか?3つの原因
原因① 正常性バイアスが邪魔をする
人は「自分だけは大丈夫」と思いたいものです。これを「正常性バイアス」と言います。私自身も救急の現場で、「まさか自分がこうなるとは思っていなかった」という言葉を何度聞いたかわかりません。「うちの地域は安全」という思い込みが、備えの先送りにつながっています。災害は「いつか来るかもしれない」ではなく「必ず来る」という前提で考えることが大切です。
原因② 情報過多で何をすべきかわからない
インターネットで「防災 必要なもの」と検索すると、膨大な情報が出てきます。多すぎて「どれから手をつければいいかわからない」という状態になり、結果的に何もしない──このパターンに陥っている家庭がとても多いです。
原因③ 「お金がかかる」というハードル感
「ちゃんと備えようとすると費用がかかる」というイメージがあります。実は最低限の備えは家にあるものの工夫でできることも多い。「完璧でなければやらない」より、「不完全でも今すぐ始める」ほうがはるかに重要です。
救急救命士が教える!家庭でできる防災対策7つ
① 水の備蓄はまず「3日分」から
1人1日3リットルが基準です。4人家族なら最低36リットル。理想は1週間分ですが、まず3日分からスタートしましょう。私自身も自宅に常時2ケース(計24本)のペットボトルを備蓄しています。
② 食料は「ローリングストック」で無駄なく
備蓄食料を「使いながら補充する」ローリングストックが最も効率的です。カップ麺・缶詰・レトルトご飯などを普段から少し多めに買い、食べたら補充する。いつも食べているものを少し多めに持つ、それだけで立派な備蓄です。
③ 避難場所を3箇所家族で決めておく
地震・水害・火災など、災害の種類によって避難場所は異なります。市区町村のハザードマップを確認し、家族全員で「ここに集まろう」という場所を3箇所決めておきましょう。
④ 家族の連絡手段を複数持つ
大規模災害時は携帯電話がつながりにくくなります。「災害用伝言ダイヤル(171)」の使い方を家族全員が知っているか確認してください。LINEが使えないときの集合場所を事前に決めておくことも重要です。
⑤ 非常用持ち出しバッグを玄関に
素早く逃げられるよう、非常用バッグを玄関付近に置いておきましょう。中身は「水500ml×2・乾パン・救急セット・懐中電灯・モバイルバッテリー・常備薬・現金(小銭多め)」が基本です。重すぎると持ち出せないので、10kg以下を目安に。
⑥ 家具の固定と危険箇所の確認
地震での死傷原因の多くは「家具の転倒」です。タンス・本棚・冷蔵庫などの大型家具には転倒防止器具を。私自身、子どもの部屋は特に徹底して固定しています。就寝中に地震が来ても逃げ道が確保できるか、今すぐ確認してください。
⑦ ハザードマップを家族で確認する
国土交通省の「重ねるハザードマップ」で、自宅周辺の浸水・土砂災害・津波リスクを確認できます。知っているだけで「どのタイミングで逃げるか」の判断が変わります。知識は最大の防災グッズです。
今日からできる!具体的アクション3つ
「全部やろう」とすると挫折します。まず今日、この3つだけやってみてください。
①スーパーでペットボトル水を2ケース買う──これだけで備蓄のスタートラインに立てます。②スマホで「(自分の市区町村名)ハザードマップ」と検索して、自宅のリスクを確認する。③家族のLINEグループに「もし大地震が来たら〇〇公園に集合」と一言送って共有する。
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まとめ:防災は「もしも」のための保険だ
2026年の防災庁設立は、国が「もう縦割り行政では対応できない」と認めた証です。国が本気になった今、私たち一般家庭も本気で備えるタイミングが来ています。
救急救命士として現場を見てきた私が言えることは、「備えていた人は生き延びる確率が格段に違う」ということです。防災グッズを揃えることも大切ですが、それ以上に大切なのは「家族で話し合っておくこと」。情報を共有し、逃げる場所を決め、連絡方法を確認する──この”会話”こそが最大の防災です。
今日この記事を読んだことを、ぜひ家族との防災会議のきっかけにしてください。こちらの記事でも防災・健康・資産形成について詳しくまとめています。ぜひチェックして、質問はこちらからどうぞ。


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